この記事では、EAのバックテスト結果の見方について解説します。
EAのバックテストのやり方は、前回記事を参考にしてください。
バックテスト結果について、多くのスーパートレーダが気にしているポイントがあります。
しかし、意外と知らない人も多いようです。
しっかりポイントを抑えましょう。
Contents
バックテスト結果の見方
本の付録EA(ea3_2.ex4)*1のバックテスト結果を例に解説します。(前回記事のバックテスト結果)
各自で準備したEAに置き換えて、進めて頂ければ結構です。
*1 「新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング」の付録の一つのEA
バックテスト結果の見方(全体)
バックテスト結果は、大きく見て、4つのブロックに分ける事ができます。
(1) バックテスト条件(インプット)
(2) バックテスト結果(数値)
(3) バックテスト結果(グラフ)
(4) バックテスト結果(全トレード結果)
それぞれの見方について、解説します。
(1)バックテスト条件(インプット)
① ea3_2 : バックテストしたEA
② 通貨ペア : バックテストした通貨ペア
③ 期間 : バックテストした期間
④ モデル : バックテストした検証モデル
⑤ パラメータ: バックテスト時に選択したパラメータ。インプット用のパラメータのみが表示されます。内部パラメータは表示されません。
(2)バックテスト結果(数値)
①モデリング品質 : バックテストの計算精度を表します。
計算モデルが全ティックの場合のみ数値で評価され、コントロールポイント/始値のみの場合は、n/Aとなります。
1分足のバックテストでは25%、1分足以外のバックテストでは90%が最大値となります。
ティックデータを含むヒストリカルデータを用いた場合は99%が最大となります。
モデリング品質は、検証結果を評価するに値するの判断に使います。
ティック結果がシビアに影響するシステム(スキャルピング等)を除けば、90%付近であればそれほど結果に差異はないです(経験上ですが)。
②不整合チャートエラー : チャートエラーの個数を表します。
基本的に0となるようにしましょう。数字が増えるほど、検証結果の信頼性が低くなります。
③初期証拠金 : バックテストの初期証拠金
④スプレッド : バックテストのスプレッド
⑤純益 : ⑥総利益 + ⑦総損失
⑧プロフィットファクター = - ⑥総利益 ÷ ⑦総損失
このプロフィットファクターを高く調整しようと努力する人もいますが、それがカーブフィットに繋がります。
利益のでるシステムであれば、この値の大きさにそれほど拘る必要はないと思っています。
『ロジック/ルールがシンプルで、長期にわたりPFが平均的であれば、PFが1.5以下でもシステムを利用して利益を上げられる。』
(参考:トレーディングシステム入門)
⑨期待利得 = ⑤純益 ÷ ⑬総取引回数
⑩絶対ドローダウン : 初期証拠金から減少した最大値
⑪最大ドローダウン : 資産が減少した金額ベースの最大値(単利運用での評価に使う)
⑫相対ドローダウン : 資産が減少した比率ベースの最大値(複利運用での評価に使う)
いずれのドローダウンも下図で表されます。
最大ドローダウン = A - B (最大となるケース)
相対ドローダウン = B ÷ A (最大となるケース)
下図のCは、最長ドローダウン期間(回復期間)ですが、バックテスト結果には表示されません。
EAを開発する際に重要になる指標は、リターンとリスクの比率です。
リカバリーファクター = ⑤純益 ÷ ⑪最大ドローダウン
いかにドローダウンを小さく、利益を大きくできるかが重要になります。
但し、カーブフィットしていない事が条件です。
(カーブフィット対策は、別の記事で紹介します)
(3)バックテスト結果(グラフ)
縦軸は残高、横軸はトレード回数を表しています。
綺麗な右肩上がりのグラフが理想です。
マーチンゲール運用をしていない事が条件です。(別途記事にまとめます)
(4)バックテスト結果(全トレード結果)
個別のトレード結果を使って、詳細分析する場合に使います。
現時点では、このデータは無視してもらっていいと思います。
まとめ
この記事では、EAのバックテスト結果の見方について解説しました。
ここまでの記事で、EAファイルがあれば、実行~結果まで対応できると思います。
次に具体的な評価方法を解説する前に、十分なヒストリカルデータを準備する必要があります。
長期間のデータが準備できた後に、具体的な評価方法の解説に移りたいと思います。
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