1. トレーディングシステム入門:仕掛ける前が勝負の分かれ目
(1)お勧め度 ★★★★☆
(2)商品ページ :単行本(Amazon)、電子書籍(Kindle)
私のメモ書き
当時のメモ書き(当時の私が重要と思った箇所の抜粋/意訳)を掲載します。
本の概要を知っていただく事が目的ですので、メモ書きは10個に絞って掲載しております。
” ⇒ ” は、私のコメント/解釈/方針です。私の成長につながった内容を記載しています。
メモ書き
①『ラルフ・ビンズの言葉』
『将来において、数学的期待値をプラスに維持するには、使用するシステムの自由度を制限しない事が重要である。
それは最適化のためパラメータを少なくとも最小限にするだけでなく、システムのルールを最小限にしなくてはならない。
システムのパラメータを追加したり、ルールを追加したり、調整や制限を加えたりすると、それらはシステムの自由度を制限する結果となる。
理想的なシステムとは、基本的かつシンプルなもので、あらゆるマーケットで損益分岐点を超える限界利益を継続的に上げる事ができるものである。
また、システム自体の収益性が高いかどうかは、システムが利益を生み出している限り重要ではない。
トレーディングによる収益は採用している資金管理の効率性に依存する。
トレーディングシステムは使用する資金管理に基づいてプラスの数学的期待値を得るための道具である。
単独の、または極少数のマーケットのみ機能するシステムや様々なルールやパラメータを使ってあらゆるマーケットに対応させるシステムは実際のトレーディングで使用した場合に長期にわたって機能する事はないだろう。』
⇒ トレードの全てを語っています。
私も全面的に合意する内容です。
②『機関投資家の多くは、ドローダウンが30~35%を超えたり、ドローダウンからの回復期間が18カ月を超えると許容できなくなる。』
⇒ 多くのトレーダはリターンを考えて、資金管理をしているのではないでしょうか
〇年で1億円の利益を上げるためには・・・。
しかし、多くのトレーダは、その途中に経験するリスク(ドローダウン)で撤退します。
しかも、意外と浅いと思えるドローダウンに耐えられないようです。
自分が耐えられるドローダウンを知り、それを超えないように資金管理する事が大切です。
③『期待値の高いトレードを長期間/数多くこなす事で利益を積み上げる。』
⇒ トレードの基本は、長期間の運用だと思っています。
長期間運用する為には、検証があり、資金管理があり、自己管理があると思います。
一つ一つ、長期間運用という目標と合致する事を確認しながら、戦略を練るとよいと思います。
④『いくつかのマーケットで同じ指標で検証して、同じように有効に機能する事を確認する。』
⇒ FXではマーケットを通貨ペアと置き換える事ができると思います。
著者は、多くのマーケット(通貨ペア)で機能する事を確認する事を確認するよう、本の中で度々、推奨しています。
この考えは、多くのスーパートレーダで共通しています。
私も、この考えを採用してEA開発を行っています。
⑤『堅牢なシステムは、標準偏差が小さい』
⇒ 『標準偏差が小さい」とは、「ばらつきが小さい」という事です。
ばらつきが小さいと、ドローダウンが浅くなります。
正確には、ドローダウンが浅くなる確率が高くなります。
指標としては、シャープレシオ(≒平均リターン÷標準偏差)やゲインペインレシオ(=年間平均利益÷年間平均ドローダウン)があります。
つまり、平均的なリターン÷リスクが大きいシステムがよいと解釈できます。
⑥『過大な利益より、多くのマーケットでトレードが機能する事を優先する。』
『過去に上昇トレンドが多い通貨、下降が多い通貨等あり、一つの通貨で機能するより、多くの通貨で機能する方が、今後も機能する可能性がある。』
『マーケットによっては有益性が低い場合があってもよい』
⇒ 多くの人は、一つのシステムの資産曲線を完璧なまでに、右肩上がりになるように、努力しています。
しかし、それはいわゆるカーブフィットです。
むしろ、一つ一つの資産曲線は汚くてもよいので、多くの通貨ペアで機能するシステムを開発する事を優先すべきです。
あとは、ポートフォリオで解決できます。
⑦『カーブフィッティングをなくすため、出来る限り(=)(≧)(≦)をなくす。』
⇒ フィルターもカーブフィットの原因になります。
これも、多くのスーパートレーダの共通の考え方です。
私も、EA開発で採用しております。
⑧『資金管理とは、最悪に備えつつ、最善を望む』
『固定比率資金管理戦略の2つのメリット 1.資金を等比級数的に測り、2.ドローダウンが続く間、より長く持ちこたえる』
⇒ この資金管理方法も、多くのスーパートレーダの共通の考え方です。
リスクは、最悪を想定し、そして、複利でドローダウンに耐えれば、長期運用で大きな利益を手にする可能性が高くなる。
私も、この運用方法しかないと思っています。
⑨『有効性の高い手法は、多くのマーケットで機能する手法』
『多くのマーケットでトレードを行い、トレード頻度を上げる』
『ポートフォリオの構成は、その手法同士の相関性と共分散が低いものを探す』
⇒ 多くの通貨ペアで機能するシステムのメリットが全て記載されています。
1. 有効性が高い(カーブフィットの可能性が低く、堅牢なシステム)
2. トレード頻度が上がる(有利なサイコロを振る数が増える為、期待値どおりの結果がでやすい。かつ、複利効果が大きくなる)
3. 相関性の低いポートフォリオを組むことで、安定性が高まる(ドローダウンが小さくなる)
多くの通貨ペアでポートフォリオを組む事に、これほどメリットがあるのに、使わない手はないです。
⑩『変数を±50%を変更して過大な変化がないことを確認する。』
⇒パラメータを±50%振れば、カーブフィットの有無を判断できる。
私も、EA開発時に採用している考えです。