EA運用の仕方ついて、私の考え方をご紹介します。
EA開発者の視点ですので、参考になると思います。
Contents
EA運用の考え方
EAの基本的な運用の考え方は、
『期待値の高いトレードを長期間/数多くこなす事で利益を積み上げる』ことです。
(参考:トレーディングシステム入門 : 仕掛ける前が勝負の分かれ)
長期間運用の場合
運用期間が長い ⇒ トレード回数が多い ⇒ 運の要素が減り、EAの実力が発揮される
⇒ リスクを抑えて、破産の確率が減る
つまり、長期間運用できれば、EAの実力に近い結果になりやすくなります。
------優秀なEAは、有利なサイコロ--------------
数回、サイコロを振って結論を出す場合は、ギャンブル性が高くなりますが、
サイコロを振る回数を増やすと、そのサイコロが持つ性能に近い結果になります。
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短期間運用の場合
運用期間が短い ⇒ トレード回数が少ない ⇒ 運の要素が大きい
⇒ リスクを上げ、大儲け or 破産
せっかく優秀なEAを選定できたとしても、一か八かのギャンブルになってしまいます。
長期運用のポイント
長期運用のポイントは、3つです。
① EAを信じる。
② EAのリスクを把握する。
③ 自分のリスク許容度を把握する。
EAを信じる
EAを信じる為には、
EAを信じられるだけの根拠が必要だと思います。
この根拠として、『バックテスト』があります。
ただ、『バックテストは、カーブフィットされている可能性があり』、そのままでは信じる為の根拠にはなりません。
つまり、バックテストを信じるには、『カーブフィットを除去したという根拠』が必要だと考えています。
カーブフィットの除去の仕方については、別の記事(カーブフィット対策)に記載していますので、参考にしてみて下さい。
また、この根拠として『フォワードテスト』もありますが、期間が短い場合は、偶然の域を脱していない可能性があります。
EAのリスクを把握する
EAを長期運用する上での最重要事項は、『破産(撤退)させない事です。
それぞれのEAには、長期運用するための適切なリスクが異なります。
仮に、優秀なEAを運用しても、取るべきリスクを間違えると、途中で破産(撤退)してしまいます。
つまり、個々のEAのリスクを把握する事が、長期運用するための条件になります。
ちなみに、バックテスト結果に示されているリスク(ドローダウン等)は、カーブフィットの可能性があり信用できません。
EAのリスクを正確に把握する為に、いくつか厳しい評価方法が提案されています。
詳しくは、別の記事(リスク評価)に記載しています。
自分のリスク許容度を把握する
自分のリスク許容度(どれだけリスクに耐えられるか)を把握する事も重要です。
『破産リスクを避ける事は、リスク管理する上で最重要事項。逆に破産せずに生き残れば、成功する。破産とは、口座資金の金額を失く事ではなく、その人のリスク許容度で変わる。』(参考:システムトレード基本と原則)
『自分に見合ったリスク許容度を決め、それを順守すべきである。』(参考:トレーダーの精神分析)
人は自分のリスク許容度を甘く見積もる傾向にあると聞きます。
『多くの機関投資家は、ドローダウンが30~35%を超えたあたり、ドローダウンからの回復期間が18カ月を超えると許容できなくなる』
<参考:トレーディングシステム入門 : 仕掛ける前が勝負の分かれ目>
『20%のドローダウンに耐えられるトレーダはほとんどいない。』
<参考:トレードシステムの法則 : 検証での喜びが実際の運用で悲劇にならないための方法>
意外と人は、リスクに耐えられないと思いませんか?
リスクを大きく設定できるのは個人投資家の強みですが、本当にそのリスクに耐えられるか今一度考えては如何でしょうか。
リスク許容度は、『リスク(ドローダウン)が生じても、気にせず熟睡できるかどうか』を目安にすれば良いと思います。
リスクを小さくすると、狙える利益も小さくなります。
しかし、あまり強欲になる事も失敗事例として良く挙げられています。
古いデータですが、参考までに
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<参考:トレードシステムの法則 : 検証での喜びが実際の運用で悲劇にならないための方法>
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まとめ
EAの運用の仕方について、
長期運用が大切で、3つのポイントを解説しました。
① EAを信じる。 ⇒ 根拠が必要(カーブフィット対策)
② EAのリスクを把握する。 ⇒ 厳しいリスク評価で把握する(リスク評価)
③ 自分のリスク許容度を把握する。 ⇒ リスクが生じても熟睡できる程度
カーブフィット対策を知りたい方
リスク評価(カーブフィットを除去したリスク評価)を知りたい方
長期運用でリスクを抑えて、利益を大きくする方法