今回は『EAの性能を表す指標』についてご紹介します。
EA開発者の目線ですので、参考になるかと思います。
EAの性能を表す指標
それは、『リカバリーファクター』です。
EA開発者は、『リターンとリスクの比率』を最大化できるように努力しています。
『リターンとリスクの比率』を大きくできれば、後はロット調整でリスクを抑えて、大きなリターンを狙う事ができます。
そして、『リターンとリスクの比率』を表している指標が、『リカバリーファクター』になります。
リカバリーファクター
リカバリーファクターは、次式の通りです。
リカバリーファクター = 純利益 ÷ 最大ドローダウン
(参考:売買システム入門 : 相場金融工学の考え方→作り方→評価法)
開発時の目安は、『5年で7以上、10年で10以上』です。
--------参考-----------+
ゲインペインレシオも『リターンとリスクの比率』を表す指標です。
・ゲインペインレシオ = 平均年次利益 ÷ 平均年次最大ドローダウン
目安は、2以上です。
(参考:トレードシステムの法則 : 検証での喜びが実際の運用で悲劇にならないための方法)
その他、似たような指標は多くありますが、重要なのは『リターンとリスクの比率』です。
多くの書籍で、『リターンとリスクの比率』は重要視されています。
EAの性能を表していない指標
(1)プロフィットファクター(PF)
PFは、次式で表すことができ、EAの性能を表しているようにも思えます。
PF = 利益 ÷ 損失
しかし、PFの大きな欠点は、途中経過を無視している事です。
どんなに深いドローダウンがあろうが、激しく変動する資産曲線になろうが、最終結果だけで決まる指標です。
つまり、リスクが反映されていないので、PFではEAの性能を測る事ができないと考えています。
低すぎるのは問題ですが、そこそこで十分と考えています。
(参考:トレーディングシステム入門 : 仕掛ける前が勝負の分かれ)
(2)勝率
システムがプラスの期待値を持っているのであれば、トレードの勝率は重要ではありません。
リスクリワードは小さいが(損大利小)、勝率で稼ぐ手法もあれば、
勝率は低いが、リスクリワードを大きくすること(損小利大)で稼ぐ手法もあります。
勝率に拘らない方が、よいシステムを作りやすいと言われています。
『トレードで勝つ回数を最大化したいという欲望は、トレーダには不利に働く』(参考:新マーケットの魔術師)
しかし、勝率は運用する際のメンタルに影響と思うので、全く無視する事はできません。
ちなみに私は、トレードの勝率は気にしませんが、月間ベースの勝率は重視しています。
--------参考-----------+
(参考:トレードシステムの法則 : 検証での喜びが実際の運用で悲劇にならないための方法)
『あまり重要でない指標(シャープレシオ、勝率、プロフィットファクタ、アルサー指数とカルマーレシオ)』
⇒ シャープレシオは、『リターンとリスクの比率』を表しているので、私は重要と思っています。
まとめ
今回は『EAの性能を表す指標』について解説しました。
『リターンとリスクの比率』が重要であり、それを表現している指標として『リカバリーファクター』『ゲインペインレシオ』を紹介しました。
ちなみに、自作EA(Light-シリーズ)のリスク評価に、リカバリーファクターとゲインペインレシオを載せています。
是非、参考にしてみて下さい。