カーブフィット対策の第三弾 『検証期間と検証回数』についてご紹介します。
また、『複数通貨ペアで機能』『複数時間軸で機能』についても、合わせてご紹介します。
EA開発者の視点ですので、参考になるかと思います。
カーブフィット対策
おさらいですが、私が考えている『カーブフィット対策』は、以下の通りです。
- シンプルな手法
- 低いパラメータ感度
- 検証期間と検証回数
- 複数の通貨ペアで機能
- 複数の時間軸で機能
この記事では、『検証期間と検証回数』『複数通貨ペアで機能』『複数時間軸で機能』について、ご紹介します。
検証期間と検証回数について
『検証期間と検証回数』もカーブフィット対策としては重要です。
検証期間や検証回数が多いほど、データの信頼が高くなります。
しかし、検証期間や検証回数には限りがあるので、一定以上に増やすことができません。
ここでは、検証期間や検証回数の増やし方について、考えたいと思います。
検証回数を増やす方法
FXでは、入手できるデータの数は決まっています。
あるデータを有効に利用して、最大限にデータを活用して、信頼性を高める努力が必要と考えています。
検証回数を増やす方法は、以下の通り
① 複数の通貨ペアで検証
② 複数の時間軸で検証
複数通貨ペアでは、複数時間軸には、様々なチャートが含まれています。
その多くのチャートにおいても、優位性が確認できれば、堅牢なシステムという事ができます。
<参考:マーケットの魔術師 システムトレーダー編>
『複数の市場/複数時間枠で通用するシステムが堅牢である』
① 複数通貨ペアで検証
例えば、1つの通貨ペアにしか機能しないEAがあったとします。
その通貨ペアは過去に下落トレンドが多く、下落トレンドに強いEAなだけかも知れません。
将来も、下辣トレンドが続くとは限らないと考えると、
多くの通貨ペアで成り立つEAの方が、将来、どんなトレンドが生じても、安定した利益が得られると可能性が高いと考えます。
複数通貨ペアで検証する事で、簡単に4倍、5倍とデータを増やすことができます。
通貨ペアを限定する必要があるロジック(仲買など)は難しいですが、
通貨ペアに関係ないロジックは複数通貨ペアで評価しないと勿体ないと思います。
但し、ポイントは、通貨ペアでルールを変えない事です。
通貨ペアでルールを変えると、カーブフィットしやすくなります。
③ 複数時間軸で検証
FXのチャートは人の売買行動が表れていると言われています。
5分足のトレーダもいれば、日足トレーダもいます。
その為、5分チャートも日足チャートも似たような形になっています。
つまり、システムの検証は、複数時間軸でも可能です。
特に、長い時間軸をメインとして使用する事を考えている場合、どうしても検証回数が少なくなります。
短い時間軸を検証に加える事で、大幅に検証回数を増やす事ができます。
検証期間
検証期間も重要です。
十分な検証期間がないと、その中に含まれるトレンドを評価する事ができません。
検証期間を増やす方法は、以下の通りです。
① 複数の通貨ペアで検証
② 複数の時間軸で検証
方法は、検証回数と同じと考えています。
絶対的な検証期間はある程度必要ですが、見るべきはその中に含まれる多様なトレンドです。
多様なトレンドのパターンを検証する事が目的であれば、対策は同じと考えています。
通貨ペアや時間軸を変える事で、チャートの形が変わる事をイメージして頂ければと分かると思います。
注意点
誤解があるといけないので、2つほど注意点を記載致します。
注意点①
『検証回数が多い』=『カーブフィットの可能性が低い』ではありません。
記事(カーブフィット対策①)でも解説しましたが、
同じ検証回数であっても、パラメータが増えるほど、カーブフィットしやすくなります。
検証回数だけで、カーブフィットを判断する事はできません。
注意点②
『ルールや変数(パラメータ)が増えると、正確な結論を得るために必要なデータ数も増える。』と言われています。
<参考:売買システム入門 : 相場金融工学の考え方→作り方→評価法>
検証回数を評価する場合は、一つのシステムに存在する(ルール数)で割る必要があります。
簡単な例では、分割エントリ、分割決済の場合、
分割した分だけトレード数は増えますが、分割した数で割る必要があります。
一つのシステムに、複数のロジックを組み込んでいる場合も、同様です。
まとめ
カーブフィット対策の中の『検証期間と検証回数』について、解説しました。
『検証期間と検証回数』によりデータの信頼度を高める事ができ、
限界ある『検証期間と検証回数』を増やす方法として、『複数通貨ペアで機能』『複数時間軸で機能』について解説しました。
カーブフィット対策効果を確認する方法を紹介していますので、以下も参考にしてみて下さい。