手法の優位性を確信するためには、過去検証が必須です。
この記事では、FXの過去検証の進め方について解説します。
EA開発者の視点ですので、参考になるかと思います。
過去検証の進め方
FXの過去検証の方法は、大きく分けて2つあります。
(1)手動検証
(2)自動検証
検証を行う目的は異なりますが、いずれの検証も必要です。
2つとも、マスターするようにしましょう。
この記事では、手動検証について解説します。
準備
最低限の準備としてMT4をインストールする必要があります。
検証する場合は、どこの証券会社でも構いません。
また、MT4以外に特別なソフトを購入する必要はありません。
手動検証
手動検証とは、チャートを見ながら、検証を進める方法の事です。
手動検証の第一の目的は、機械的に判断可能な手法である事のチェックです。
機械的に判断できない手法は、主観が必要となり、検証する度に結果が異なってしまいます。
主観を抜いて、機械的に判断可能な手法に落とし込む事が必要です。
<例1:ゴールデンクロス/デッドクロス>
(1)ルール
エントリ:ゴールデンクロス確定後の始値
決済 :デッドクロス確定後の始値
(2)ルールの具体化
① ゴールデンクロス(短期MAが長期MAを上抜け)
② ゴールデンクロス確定後の始値でエントリ
③ デッドクロス(短期MAが長期MAを下抜け)
④デッドクロス確定後の始値で決済
この例は、MAの値さえ決めれば、機械的な判断でエントリ~決済まで行う事ができます。
後は、検証期間を延ばせば、長期間の手法の優位性を確認する事ができます。
<例2:ゴールデンクロス後の押し目>
(1)ルール
エントリ:ゴールデンクロス後の押し目
決済 :ロウソク足が短期MAをクロスした後の始値
⇒『押し目』をしっかり定義しないと検証ができません。
また、押し目後のエントリ条件も定後する必要があります。
検証可能なルールにする為に、押し目とエントリ条件を定義します。
押し目 :3本以上陰線が連続した場合
エントリ:押し目後に3本以上陽線が連続した後の始値
(1)ルール
エントリ:ゴールデンクロス後の押し目後に3本以上陽線が連続した後の始値
決済 :ロウソク足が短期MAをクロスした後の始値
(2)ルールの具体化
① ゴールデンクロス(短期MAが長期MAを上抜け)後
② 押し目(3本以上陰線が連続)後
③ 3本以上陽線が連続した後の始値でエントリ
④ロウソク足が短期MAをクロスした後の始値で決済
これで、ようやく機械的なルールの完成です。
後は、検証期間を延ばせば、長期間の手法の優位性を確認する事ができます。
手動検証のポイント
手動検証のポイントは、以下の通り
① 複雑なルールにしない
② パラメータに拘りすぎない
① 複雑なルールにしない
複雑なルールより、シンプルなルールの方が優れていると言われています。
初心者ほど、聖杯(完璧なトレード)を求めて、ルールを複雑にしてしまいます。
『成功者は極めてシンプルな方法で『買う』『売る』『待つ』を判断している。』
(参考:デイトレード)
『トレードシステムを完璧にしようとしても、パフォーマンスは上がらない。シンプルな手法が一番パフォーマンスがいい』
(参考:ラリー・ウイリアムズの短期売買法)
② パラメータに拘りすぎない
優位性のあるルールであれば、パラメータを少し変えたとしても、優位性は変化しません。
成功トレーダは、わざとパラメータを変化させて、優位性に大きな変化がないことを確認しています。
つまり、パラメータを調整して、良さそうなルールを作っても、それは良いルールとは言えないという事です。
つまり、まずはパラメータにこだわらず、優位性があるかどうか(勝てるルールかどうか)をチェックしましょう。
『変数を±50%を変更して過大な変化がないことを確認する。』
(参考:トレーディングシステム入門 : 仕掛ける前が勝負の分かれ)
『パラメータの振った範囲で70%で利益が出ていれば合格』
まとめ
FXの過去検証の方法は、(1)手動検証、(2)自動検証の2つあり、
この記事では手動検証の進め方について解説しました。
手動検証の第一の目的は、機械的に判断可能な手法である事のチェックです。
そして、検証時のポイントは、以下の通りです。
① 複雑なルールにしない
② パラメータに拘りすぎない
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