今回は、『ピンバー(スパイクロー/スパイクハイ)とRSIの組み合わせ』のトレード検証について紹介します。
スパイクロー/スパイクハイとは、
スパイクロー、スパイクハイは、プラスアクションの一つで、逆張り指標として使われます。
スパイクロー: 周辺のロウソク足と比べて、突出して安値が低く、下ヒゲが長いピンバー
スプアイクハイ: 周辺のロウソク足と比べて、突出して高値が高く、上ヒゲが長いピンバー
下降トレンドの安値水準で『スパイクロー』が現れると、下落トレンドへの転換の可能性を示唆する と言われています。
上昇トレンドの高値水準で『スパイクハイ』が現れると、上昇トレンドへの転換の可能性を示唆する と言われています。
『スパイクロー/スパイクハイ』は、安値/高値水準で使用する逆張り指標になります。
ここでは、安値/高値水準を示す指標である『RSI』と『スパイクロー/スパイクハイ』を組み合わせた場合について、検証します。
5分足の逆張り指標として、RSIは比較的優秀ですので、その組み合わせ検証になります。(詳細:RSI(中央値決済))
ルールは以下の通りです。
①RSIが30%以下(安値水準)の時に、『スパイクロー』が発生した場合、買いエントリし、RSIが50%に到達した次の足で決済
②RSIが70%以上(高値水準)の時に、『スパイクハイ』が発生した場合、売りエントリし、RSIが50%に到達した次の足で決済
検証内容
検証内容は、以下の通りです。
・計算方法 : 確定足
・通貨ペア : 5通貨ペア(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、EURUSD、GBPUSD)
・時間軸 : 5分足(RSIが機能する時間足)
・検証期間 : 16年間(2005~2020年)
検証結果
検証結果(プロフィットファクター)を以下に示します。
ピンバー(スパイクロー/スパイクハイ)のロウソク足の形状をパラメータとして、いくつかのケースで評価しています。
✔ ロウソク足の突出部が目立って長い場合(2倍)のみ、優位性を示した。
但し、突出率を大きくすると、トレード回数が極端に減少し、検証の信頼性は低い。
1.5倍までは優位性がなく、2倍だけ優位性があるのは信じがたく、偶然の可能性が高いと考える。
ピンバー(スパイクロー、スパイクハイ)のみの評価
次に、ピンバー(スパイクロー、スパイクハイ)のみで、トレードを行った場合について評価した。
最も優位性が高い事が示された条件(ヒゲ率60%、突出部2倍)で評価する。
決済手法は、ランダム時間決済とする。
ランダム時間決済は、エントリーの優位性を測る決済方法として、しばしば用いられる。
エントリに優位性がある場合、決済をランダムにしても利益が出るはずという理屈です。
今回は、2パターン(10本、50本後に決済)で検証した。
✔ ピンバー(スパイクロー、スパイクハイ)のみでは、優位性を示さなかった。
まとめ
今回は、『ピンバー(スパイクロー/スパイクハイ)』のトレード検証について紹介しました。
検証の結果、
RSIと組合せ、突出率が2倍の条件のみ優位性が確認されました。
突出率が1.5倍までは優位性がなく、2倍だけ優位性があるのは信じがたく、偶然の可能性が高いと考えます。
また、トレード回数も少なく、検証結果の信憑性も高くありません。
私は、本手法に優位性はないと判断します。
トレード手法の検証は、以下にまとめています。