私は手法を探す際、シンプルな手法を重視しています。(参照:システムトレードの手法探し)
本当に優位性がある手法であれば、シンプルなルールでも確認できます。
優位性が確認できれば、本格的に細かな検証に入ります。
ここでは、本格検証前の簡易的な調査について紹介します。
今回は、『プライスアクション(スラストアップ/スラストダウン)』の検証について紹介します。
スラストアップ/スラストダウンとは、
スラストアップ/スラストダウンは、プラスアクションの一つで、トレンドの勢いを測る指標として使われます。
スラストアップ : 当日の終値が前日の高値を上回る。(前日のロウソク足が陰線の場合も含む)
スラストダウン : 当日の終値が前日の安値を下回る。(前日のロウソク足が陽線の場合も含む)
このスラストアップ/スラストダウンが続くと、トレンドの勢いが強いと言われています。
スラストアップ/スラストダウンはトレンドフォロー型なので、ドテン売買で優位性を検証します。
ドテン売買については、ゴールデンクロス(移動平均線のクロス)のドテン売買の記事を参照下さい。
以下のルールとします。
スラストアップがn回連続すると、売り決済、買いエントリ
スラストダウンがn回連続すると、買い決済、売りエントリ
検証内容
・計算方法 : 確定足
・通貨ペア : 5通貨ペア(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、EURUSD、GBPUSD)
・時間軸 : 5分足、15分足、1時間足
・検証期間 : 14年間(2007~2020年)
・スプレッド: 0.1pips(EAによるバックテストの最低値)
⇒ この時点では優位性の有無を確認する事が目的であり、スプレッドを≒0として
プロフィットファクターが1.0の近辺であれば、優位性なし
プロフィットファクターが1.0から乖離していれば、優位性あり
(1.0以上であれば順張り、1.0以下であれば逆張りのシステムで機能する可能性がある)
検証結果
検証結果(プロフィットファクター)を以下に示します。
✔ プロフィットファクターが、1.0以下であり、本手法に優位性はない。
1.0より大きく低く、逆張りとして優位性がある可能性がある。
追加検証(逆張り手法の優位性)
スラストアップ/スラストダウンは、逆張りとして優位性がある可能性があります。
逆張り手法は、短期決済が鉄則です。
検証ルールは、以下とします。
エントリ : 逆張り(スラストアップ:売り、スラストダウン:買い)
決済 : エントリからロウソク足 2本後
検証結果
検証結果(プロフィットファクター)を以下に示します。
✔ 逆張り手法に、優位性の可能性が確認された。
✔ スプレッド1.0pipsを考慮すると、優位性はなくなる。
まとめ
この記事では、『プライスアクション(スラストアップ/スラストダウン)』の簡易的な検証結果について、紹介しました。
私の結論は、『逆張り手法として優位性の可能性あり』です。
本通常のスプレッドを考慮すると、利益が出る手法ではないですが、
スラストアップ/スラストダウンが発生した場合は、短期的に逆張り方向に優位性がある事を知っておくと、今後のトレードに役立つ可能性があります。
この記事が参考になれば、幸いです。
トレード手法の検証は、以下にまとめています。