私は手法を探す際、シンプルな手法を重視しています。(参照:システムトレードの手法探し

本当に優位性がある手法であれば、シンプルなルールでも確認できます。

優位性が確認できれば、本格的に細かな検証に入ります。

ここでは、本格検証前の簡易的な調査について紹介します。

 

今回は、『ボラティリティブレイクアウト(ボリンジャーバンド)』の検証について紹介します。

 

ボラティリティブレイクアウト(ボリンジャーバンド)

ボラティリティブレイクアウトとは、直近のボラティリティ(価格変動幅)を超える大きな上昇(又は下降)が生じた際に、そのトレンドに乗る手法です。

ボラティリティブレイクアウトには、ロウソク足を用いる方法もありますが、ここではボリンジャーバンドを用いる方法について検証します。

 

ボリンジャーバンドとは、一定期間の価格変動から、ばらつき(標準偏差)を算出し、

平均値を移動平均線として、移動平均線からの変動幅を標準偏差(σ)で表したものになります。

  ±1σ以内に収まる確率 : 約68.3%
  ±2σ以内に収まる確率 : 約95.4%
  ±3σ以内に収まる確率 : 約99.7%

 

ボリンジャーバンドは、順張りでも逆張りのいずれの手法にも用いられます。

(1)順張り手法

   ①種類 : ボリンジャーバンドのブレイクアウト

   ②理屈 : トレンドが発生する場合は、一定の確率を超えるほどの勢いが必要

(2)逆張り手法

   ①種類 : ボリンジャーバンドを抵抗とした逆張り

   ②理屈 : ボリンジャーバンドの外側は低い確率帯であり、すぐにボリンジャーバンド内に跳ね返されるはず

 

ボリンジャーバンドは、順張りでも逆張りのいずれの方が機能するのでしょうか?

以下のルールで検証を行いました。

ルールは単純です。

(1)順張りルール : 

  ①エントリ :ボリンジャーバンドのブレイク方向に乗る

  ②決済   :中央の移動平均線で決済

 

(2)逆張りルール : (順張りの反対トレード)

  ①エントリ :ボリンジャーバンドにタッチで逆張り

  ②決済   :中央の移動平均線で決済

(上図は、ティックベースですが、以下の検証では確定足ベースに修正している)

検証内容

手法の検討の際、カーブフィットが生じないように気を付ける必要があります。

カーブフィット対策については、カーブフィットと対策(50冊の書籍から分析)を参照下さい。

ここでは、カーブフィット対策として、『複数通貨ペア』、『複数時間軸』のチェックを行います。

優れた手法は、通貨ペア、時間軸に関係なく機能すると考えています。

ほとんどの手法は、この『複数通貨ペア』、『複数時間軸』の検証をクリアできず、この時点で却下されます。

 

検証内容は、以下の通りです。

 ・計算方法 : EA(モデル:コントロールポイント)

   ⇒ コントロールポイントで計算できるよう、確定足ベースのシステムに修正してから計算した。

 ・通貨ペア : 5通貨ペア(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、EURUSD、GBPUSD)

 ・時間軸  : 5分足、15分足、1時間足、4時間足

 ・検証期間 : 16年間(2005~2020年) 

 ・スプレッド: 0.1pips(EAによるバックテストの最低値)

   ⇒ この時点では優位性の有無を確認する事が目的であり、スプレッドを≒0として

     プロフィットファクターが1.0の近辺であれば、優位性なし

     プロフィットファクターが1.0から乖離していれば、優位性あり

    (1.0以上であれば順張り、1.0以下であれば逆張りのシステムで機能する可能性がある) 

 

検証結果

検証結果(プロフィットファクター)を以下に示します。

 ✔ 5分足、15分足では逆張り、1時間足、4時間足では順張りトレードで優位性が確認された。

 ✔ ボリンジャーバンドの1σ、2σで、傾向に大きな違いはない。

 

順張りルール

逆張りルール

 

短期(5分足、15分足)と長期(1時間足、4時間足)とで、異なる傾向を示しました。

少しだけ、深掘りしてみます。

 

短期(例:5分足、20MA、1σ)の逆張りトレード

まずは、短期トレード(例:5分足、20MA、1σ)の逆張りトレードについて、5通貨ペアの合算結果を分析します。

なお、分析はQuant Analyzer4で行っています。(参考:Quant Analyzer4

(1)トレード保有時間(エントリ~決済)

  保有時間は、概ね4時間以内です。

 

(2)保有時間と損益

  1時間以内に決着すれば、利益が出るシステムです。

  逆張りトレードなので、短期決戦が鉄則です。

 

(3)勝率

  逆張りトレードなので、勝率で利益を稼ぐトレードです

 

(4)エントリ時間と損益

以下は、エントリ時間と損益の関係を示しています。(日本時間(冬時間)で整理しています。)

 17時と23時が苦手のようです。

長期(例:1時間足、20MA、2σ)の順張りトレード

次に、長期トレード(例:1時間足、20MA、2σ)の順張りトレードについて、5通貨ペアの合算結果を分析します。

(1)トレード保有時間(エントリ~決済)

  保有時間は、概ね4日以内です。

(2)保有時間と損益

  4日以上保有する事で、利益が出るシステムです。

  順張りトレードなので、どこまで利益を伸ばせるかが鍵です。

(3)勝率

  順張りトレードであり、勝率は低く、損小利大のトレードです。

 

(4)エントリ時間と損益

以下は、エントリ時間と損益の関係を示しています。(日本時間(冬時間)で整理しています。)

 深夜から早朝が、苦手な時間帯のようです。

スプレッド(1pips)を考慮した場合

検証結果(プロフィットファクター)を以下に示します。

 ✔ 短期(5分足、15分足)トレードでは、スプレッド負けする。

 ✔ 長期(1時間足、4時間足)トレードでは、僅かに優位性を保っている。

順張りルール

逆張りルール

 

考察

過去検証の分析結果は以下の通り

5分足、15分足

 ・ボリンジャーバンドの逆張り方向のトレードが適している傾向。

 ・スプレッド(1pips)を考慮すると、トレードの優位性はなくなる。

 

1時間足、4時間足

 ・ボリンジャーバンドの順張り方法のトレードが適している傾向。

 ・スプレッド(1pips)を考慮しても、トレードの優位性は僅かに残っている。

 

<その他>

 ・1σ、2σで結果に大差なく、このパラメータに執着しすぎる必要はない。

 

まとめ

この記事では、『ボラティリティブレイクアウト(ボリンジャーバンド)』の簡易的な検証結果について、紹介しました。

 

私の結論は、『逆張りは短期、順張りは長期に適してる傾向がある』です。

優位性の傾向を把握する事で、今後のトレードに役立つ可能性があります。

 

この記事が参考になれば、幸いです。

トレード手法の検証は、以下にまとめています。