今回は、『窓開け(窓閉め・時間決済)』のトレード検証について紹介します。
『窓開け』とは
通常、ロウソク足は連続しており、1本前のロウソク足の終値とその次のロウソク足の始値の価格は一致します。
しかし、その終値と始値に開きが生じる場合があります。
その開きを『窓』、窓が開いた状態で始まる事を『窓開け』と呼びます。
そして、その『窓』が早々に閉まる事象(以前の価格帯に戻る事象)を『窓閉め(窓埋め)』と呼びます。
通常、窓開けは、ロウソク間で日をまたぐ時に発生します。
FX市場は24時間オープンですが、土日は閉じています。
そして、再び市場が再開する月曜日に多く「窓開け」が発生します。
「窓開け」が発生した場合、その窓は一度閉まる(窓閉め・窓埋め)と言われています。
本当に、窓閉め・窓埋めが発生するのであれば、手法として利用すべきです。
検証してみましょう。
今回は、窓開け時に2つの決済手法を検証します。
(1) 窓閉め(リスクリワード=1:1)
開いた窓は、『閉まるのが先か、開くのが先か』を検証します。
利確:窓閉め、損切:窓開き(リスクリワード 1:1)
窓の開きが1pipsだと検証にならないので、『窓開き』を10pips以上と定義します。
(2) 時間決済
開いた窓は、『早々に閉まる方向に動くのか』を検証します。
決済:次のロウソク足の始値
窓の開きが1pipsだと検証にならないので、『窓開き』を10pips以上と定義します。
検証内容
検証内容は、以下の通りです。
・計算方法 : EA(モデル:全ティック)
⇒ 価格を重視した検証であり、全ティックで行う
・通貨ペア : 5通貨ペア(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、EURUSD、GBPUSD)
・時間軸 : 4時間足
・検証期間 : 14年間(2007~2020年)
・スプレッド: 1.0pips
⇒ 今回の検証は1.0pipsからスタートする。
検証結果
検証結果を以下に示す。
✔ いずれの検証も、良い結果を示した。
⇒ 開いた窓は、閉まる傾向にある事が分かる。
ただ、この検証は、エントリ時間に問題があります。
以下に、月曜日早朝のスプレッドの例を示します。(参考:Gogojungle スプレッド比較)
6:00~8:00は、スプレッドが拡大しています。
FX市場のオープン(窓開け直後)は、スプレッドが大きくてエントリは避けるべきです。
また、スプレッドが拡大している時間帯は、スプレッドが価格として織り込まれるため、バックテスト結果も信用できません。
8:30エントリの場合
スプレッド拡大が収まる8:30(夏:7:30)にエントリした場合について検証しました。
✔ 8:30にエントリした場合、窓閉めトレードの優位性はなくなる。
この結果から、
窓閉め(窓埋め)は、スプレッドが拡大している時間帯で解消されてしまう事が分かります。
まとめ
今回は、『窓開け(窓閉め・時間決済)』のトレード検証について紹介しました。
今回の結果は、
『窓閉め(窓埋め)を狙うトレードは、スプレッド拡大時間のエントリを避けると、優位性がなくなる可能性がある』
次の記事では、窓開け手法の問題点と対策案について記載しています。
記事 : 窓開け・窓埋め(問題点と対策)
トレード手法の検証は、以下にまとめています。